2026年2月21日

All-on-4の基本知識|従来のインプラントとの違いとは?
歯を多く失った場合の治療として、近年注目されているのが**All-on-4(オールオンフォー)**です。「通常のインプラントと何が違うの?」「総入れ歯の代わりになるの?」といったご質問をいただくことも多くあります。今回は、All-on-4の基本と、従来のインプラントとの違いについて歯科医の視点からわかりやすく解説します。
All-on-4とは、片顎につき4本のインプラントで、すべての歯を支える治療法です。前方に2本、後方に2本のインプラントを配置し、その上に連結した人工歯を固定します。歯がほとんど残っていない方や、総入れ歯でお悩みの方に適した治療方法です。
従来のインプラントとの違い
一般的なインプラント治療では、失った歯の本数に応じて複数のインプラントを埋入する必要があります。一方、All-on-4は少ない本数で全体を支えるため、手術回数や身体的負担を抑えられるのが特徴です。
また、後方のインプラントを斜めに埋入することで、骨の厚い部分を活用できるため、骨造成が不要または最小限で済むケースが多い点も大きなメリットです。これにより、治療期間の短縮や費用面の負担軽減につながることもあります。
さらに、条件が整えば手術当日に仮歯を装着できる即時負荷が可能な場合もあります。歯がない期間を最小限に抑えられるため、見た目や日常生活への影響を軽減できます。
All-on-4のメリットと注意点
固定式のため、入れ歯のように取り外す必要がなく、ズレや違和感が少ないのが大きなメリットです。また、しっかり噛めることで食事の満足度が向上し、顎の骨への刺激により骨吸収の抑制も期待されます。
一方で、長期的な安定のためには、精密な診断と適切なメンテナンスが不可欠です。インプラント周囲炎の予防のため、定期的なクリーニングとセルフケアの継続が重要となります。
All-on-4は、歯を多く失った方でも、機能性と審美性の両立を目指せる治療法です。従来のインプラントや入れ歯との違いを理解し、ご自身の状態に合った治療方法を選ぶためにも、専門的なカウンセリングを受けることをおすすめします。
引用文献(世界的に引用される代表的研究)
Malo P, Rangert B, Nobre M. “All-on-Four” immediate-function concept with Brånemark System implants for completely edentulous mandibles. Clin Implant Dent Relat Res. 2003.
Malo P, et al. Immediate function of implants placed with the All-on-4 concept: a clinical report. J Prosthet Dent. 2005.
Papaspyridakos P, et al. Survival rates of full-arch implant prostheses: a systematic review. Int J Oral Maxillofac Implants. 2012.
よくあるQ&A
Q1. All-on-4は誰でも受けられますか?
A. 骨の量や全身状態によって適応が異なります。CT検査などの精密検査を行い、治療可能か判断します。
Q2. 治療期間はどれくらいですか?
A. 条件が整えば手術当日に仮歯を装着できる場合がありますが、最終的な人工歯の完成までは数ヶ月程度かかることが一般的です。
Q3. All-on-4はどれくらい長持ちしますか?
A. 定期的なメンテナンスと適切なセルフケアを行えば、長期間安定して使用できるケースが多く報告されています。
監修執筆:豊中服部ノボ歯科・矯正歯科クリニック院長幸田昇