2026年2月16日

「入れ歯は高齢になってから使うもの」と思われがちですが、実際には年齢に関係なく、歯を失った時点で必要になる治療の一つです。むし歯や歯周病、外傷などにより歯を失う可能性は誰にでもあり、40〜50代で入れ歯を使用される方も少なくありません。大切なのは年齢ではなく、噛む機能と口腔内のバランスを回復することです。
歯を失ったまま放置すると、隣の歯が倒れたり、かみ合う歯が伸びてきたりして、噛み合わせが崩れてしまいます。また、噛む力の低下は消化機能や全身の健康にも影響するといわれています。そのため、欠損部を補う治療として、入れ歯は重要な選択肢となります。
入れ歯には、大きく分けて「部分入れ歯」と「総入れ歯」があります。部分入れ歯は、残っている歯にバネや装置を固定して使用し、数本の歯を失った場合に適応されます。一方、総入れ歯はすべての歯を失った場合に装着するものです。最近では、見た目に配慮したノンクラスプデンチャーなど、審美性の高い入れ歯も選択できるようになっています。
初めて入れ歯を使用する方にとって、「違和感があるのでは」「しっかり噛めるのか」といった不安は自然なものです。装着直後は異物感を覚えることもありますが、調整を重ねることで徐々に慣れていきます。痛みや外れやすさがある場合は我慢せず、早めに歯科医院で調整を受けることが快適に使い続けるポイントです。
また、入れ歯は作って終わりではありません。口腔内の状態は時間とともに変化するため、定期的なメンテナンスが必要です。適切な清掃と定期検診を行うことで、口腔内の健康維持と入れ歯の長期使用につながります。
入れ歯は「年齢の問題」ではなく、「生活の質(QOL)を守るための治療」です。歯を失った際には放置せず、早めに歯科医師へ相談することが、快適な食事や会話を維持する第一歩となります。
引用文献(世界的に引用される代表的研究)
Emami E, de Souza RF, Kabawat M, Feine JS. The impact of edentulism on oral and general health. International Journal of Dentistry. 2013;2013:498305.
よくあるQ&A
Q1. 入れ歯は何歳くらいから使うものですか?
A. 年齢の決まりはありません。歯を失った本数や口腔内の状態に応じて、40〜50代から使用される方もいらっしゃいます。
Q2. 入れ歯はすぐに慣れますか?
A. 個人差はありますが、数週間から1ヶ月程度で慣れる方が多いです。違和感や痛みがある場合は調整を行うことで改善します。
Q3. 入れ歯のお手入れはどうすればいいですか?
A. 毎食後の清掃と、専用の洗浄剤でのケアが基本です。また、定期検診で噛み合わせや適合状態を確認することが大切です。
監修執筆:豊中服部ノボ歯科・矯正歯科クリニック院長 幸田昇