2026年2月21日

部分入れ歯と総入れ歯の違いとは?わかりやすく解説
歯を失った際の治療方法として、多くの方が選択されるのが入れ歯です。しかし、「部分入れ歯と総入れ歯の違いがよくわからない」「自分にはどちらが合っているの?」と疑問を持つ方も少なくありません。今回は、それぞれの特徴や違いについて歯科医の視点からわかりやすく解説します。
部分入れ歯とは
部分入れ歯は、歯が一部残っている場合に使用する入れ歯です。失った部分だけを補う装置で、残っている歯にバネ(クラスプ)などをかけて固定します。
メリットとしては、比較的短期間で作製でき、外科手術が不要である点が挙げられます。また、歯を削る量が少なく、身体への負担も比較的軽い治療方法です。
一方で、バネをかける歯に負担がかかることや、金属のバネが見えることで見た目が気になる場合があります。また、噛む力は天然歯と比べてやや低下します。
総入れ歯とは
総入れ歯は、歯が1本も残っていない場合に使用する入れ歯です。歯ぐき全体を覆う形で装着し、吸着力によって安定させます。
メリットは、すべての歯を一度に回復できる点です。見た目の改善だけでなく、食事や会話などの機能回復にもつながります。
ただし、顎の骨の状態によっては安定しにくく、外れやすさや違和感を感じることがあります。また、噛む力は天然歯の約2〜3割程度とされており、慣れるまで時間がかかることもあります。
自分に合った選択が大切
部分入れ歯と総入れ歯のどちらが適しているかは、残っている歯の本数や状態、顎の骨の量、噛み合わせ、生活スタイルなどによって異なります。近年では、見た目に配慮したノンクラスプデンチャーや、安定性を高めるインプラントオーバーデンチャーなど、選択肢も広がっています。
入れ歯は作って終わりではなく、定期的な調整とメンテナンスが重要です。顎の形は時間とともに変化するため、違和感や痛みを我慢せず、早めに歯科医院で相談することが快適な使用につながります。
歯を失ったままにすると、噛み合わせの乱れや周囲の歯への負担が生じることもあります。ご自身の状態に合った治療方法を選ぶためにも、まずは専門的な診断を受けることをおすすめします。
引用文献(世界的に引用される代表的研究)
Carlsson GE. Clinical morbidity and sequelae of treatment with complete dentures. J Prosthet Dent. 1998.
Zarb GA, Bolender CL. Prosthodontic Treatment for Edentulous Patients. Mosby, 2004.
Felton D. Complete edentulism and comorbid diseases: an update. J Prosthodont. 2009.
よくあるQ&A
Q1. 部分入れ歯から総入れ歯に変わることはありますか?
A. はい。残っている歯の状態が悪化した場合、将来的に総入れ歯へ移行することがあります。
Q2. 入れ歯はどれくらいで慣れますか?
A. 個人差はありますが、数週間〜1ヶ月程度で違和感が軽減することが多いです。調整を繰り返すことが重要です。
Q3. 入れ歯でもしっかり噛めますか?
A. 天然歯と同じ力は難しいですが、適切に調整された入れ歯であれば日常の食事に支障なく使用できるケースが多くあります。
監修執筆:豊中服部ノボ歯科・矯正歯科クリニック院長幸田昇