2026年6月11日

All-on-4治療の流れを徹底解説|初診から仮歯・メンテナンスまでわかりやすく紹介
「総入れ歯が合わない」「歯がボロボロで何を食べても噛みにくい」「できるだけ少ない本数のインプラントでしっかり噛めるようになりたい」。
このようなお悩みを抱える方に注目されているのが、All-on-4(オールオン4)治療です。
All-on-4は、片顎につきわずか4本のインプラントで固定式の人工歯を支える治療法として世界中で広く行われています。従来のインプラント治療よりも身体的・経済的負担を軽減できる可能性があり、多くの患者さまに選ばれています。
しかし、「実際にはどのような流れで進むの?」「治療期間はどれくらい?」「手術当日に歯が入るって本当?」など、不安や疑問をお持ちの方も少なくありません。
この記事では、All-on-4治療の流れを初診からメンテナンスまで詳しく解説します。
All-on-4とは?
All-on-4とは、片顎につき4本のインプラントを埋入し、その上に固定式の人工歯を装着する治療法です。
従来のフルマウスインプラントでは10〜14本程度のインプラントを必要とする場合もありましたが、All-on-4では最小限の本数で機能回復を目指します。
特徴として、
片顎4本のインプラントで支える
奥のインプラントを斜めに埋入する
骨移植を回避できる場合が多い
手術当日に仮歯を装着できるケースがある
総入れ歯と比較して安定性が高い
といった点が挙げられます。
All-on-4が適している方
All-on-4は、以下のような方に適しています。
多くの歯を失っている方
総入れ歯が合わず悩んでいる方
歯がボロボロで抜歯が必要な方
できるだけ短期間で噛める状態にしたい方
骨移植をできるだけ避けたい方
固定式の人工歯を希望する方
ただし、全身状態や骨の状態によっては適応できない場合もあります。
All-on-4治療の流れ
① 初診・カウンセリング
まずは患者さまのお悩みやご希望を詳しく伺います。
例えば、
入れ歯の不満
見た目の希望
費用面の不安
治療期間の希望
全身疾患の有無
などを確認します。
この段階でAll-on-4の概要やメリット・デメリットについても説明を行います。
患者さまが十分に理解し、納得した上で治療を進めることが大切です。
② 精密検査・診断
All-on-4の成功には、正確な診断が欠かせません。
主な検査内容は以下の通りです。
CT撮影
顎の骨の厚みや高さ、神経や上顎洞の位置を三次元的に把握します。
口腔内検査
残存歯の状態や歯周病の有無を確認します。
レントゲン撮影
全体的な口腔内の状況を把握します。
口腔内写真撮影
治療前後の比較や診断資料として活用します。
噛み合わせの確認
咬合バランスや顎関節の状態を評価します。
これらの情報をもとに、患者さまごとの治療計画を立案します。
③ 治療計画の説明
精密検査の結果をもとに、
抜歯の必要性
埋入本数
仮歯の形態
最終的な人工歯の種類
治療期間
費用
想定されるリスク
などについて詳しく説明します。
疑問点や不安を解消した上で治療を開始します。
④ インプラント埋入手術
治療計画に沿って手術を行います。
必要に応じて、
保存困難な歯の抜歯
歯周組織の処置
を同日に行うこともあります。
All-on-4では、
前方2本は垂直方向に埋入し、
後方2本は斜め方向に埋入することが一般的です。
これにより骨量の少ない部位を避けながら安定性を確保できます。
手術時間は片顎で2〜4時間程度が目安です。
⑤ 即時負荷による仮歯の装着
All-on-4の大きな特徴の一つが「即時負荷」です。
十分な初期固定が得られた場合には、手術当日または翌日に仮歯を装着できます。
仮歯によって、
見た目の回復
会話機能の回復
咀嚼機能の回復
が期待できます。
ただし、この時期はインプラントと骨が結合する大切な期間であるため、硬い食べ物は控える必要があります。
⑥ 治癒期間(オッセオインテグレーション)
インプラントと骨が結合する期間です。
一般的には、
下顎:約2〜3か月
上顎:約4〜6か月
程度が目安とされています。
この期間中は定期的に仮歯の調整を行い、問題がないか確認します。
⑦ 最終的な人工歯の装着
骨との結合が確認できたら、最終補綴物を製作します。
最終的な人工歯には、
ジルコニア
セラミック
ハイブリッドレジン
などの素材があります。
患者さまのご希望や噛み合わせ、審美性を考慮しながら選択します。
仮歯で得られた情報を反映することで、より快適な仕上がりを目指します。
⑧ 定期メンテナンス
All-on-4は治療後のメンテナンスが非常に重要です。
メンテナンスでは、
インプラント周囲炎のチェック
噛み合わせの確認
専門的クリーニング
ネジの緩みの確認
人工歯の状態確認
などを行います。
一般的には3〜6か月ごとの受診が推奨されています。
適切なメンテナンスによって長期安定につながります。
All-on-4治療のメリット
少ない本数で治療できる
片顎4本のインプラントで機能回復を目指せます。
手術当日に歯が入る可能性がある
即時負荷によって早期の社会復帰が期待できます。
入れ歯のような取り外しが不要
固定式のため違和感が少なく、しっかり噛みやすい特徴があります。
骨移植を回避できる場合がある
斜め埋入によって骨量不足に対応できるケースがあります。
All-on-4治療の注意点
一方で、
外科手術が必要
自由診療である
メンテナンスが必須
全身状態によっては適応外となる場合がある
といった点も理解しておく必要があります。
メリットだけでなくリスクについても十分に説明を受けることが大切です。
世界的に引用される有名な論文
All-on-4治療のエビデンスとして世界中で引用されている代表的な論文があります。
Malo P, Rangert B, Nobre M.
“All-on-4 immediate-function concept with Brånemark System implants for completely edentulous mandibles: a retrospective clinical study.”
Clinical Implant Dentistry and Related Research. 2003.
この論文では、All-on-4コンセプトによる即時機能回復の高い成功率が報告されており、現在のAll-on-4治療の基礎となった歴史的研究として広く知られています。
まとめ
All-on-4は、少ない本数のインプラントで固定式の人工歯を支える革新的な治療法です。
治療の流れとしては、
初診・カウンセリング
精密検査・診断
治療計画の説明
インプラント埋入手術
仮歯の装着
治癒期間
最終補綴物の装着
定期メンテナンス
というステップで進行します。
歯を多く失った方や総入れ歯に悩む方にとって、All-on-4は生活の質を大きく向上させる可能性のある治療法です。まずは精密検査を受け、ご自身に適した治療法かどうかを歯科医師と相談することをおすすめします。
よくあるQ&A
Q1. All-on-4は本当に1日で歯が入りますか?
十分な初期固定が得られた場合、手術当日または翌日に仮歯を装着できるケースがあります。ただし、骨の状態によっては適応できない場合もあります。
Q2. All-on-4の治療期間はどれくらいですか?
仮歯は早期に装着できますが、最終的な人工歯の完成までは一般的に3〜6か月程度かかります。
Q3. All-on-4は一生使えますか?
永久保証ではありませんが、適切なセルフケアと定期メンテナンスによって10年以上良好な状態を維持している症例も多数報告されています。
監修執筆:豊中服部ノボ歯科・矯正歯科クリニック院長幸田昇